どうもーたけうちです。
GWで時間があるので、インプットとアウトプットのサイクルをたくさん回しております。作品観たり、読んだり、演技の勉強の一環で深掘ってみたり、それを記事にしてみたり。
さて今回は、最近演技を教えて頂いているF先生がご出演されているということで、好奇心7000%でProject EAS 1st banquet 「英雄学園 〜RE;bonds and betrayal〜」(脚本・演出 須藤旭)のDVDを購入して、鑑賞しました。
28名以上のキャストが織りなす緻密な演出、殺陣の迫力、照明と音響の連携による演出効果に驚嘆しております。ちょっとまーじで凄かったので、興奮冷めやらぬうちに、関係者の皆様に読まれたい気持ち半分、とっても恥ずいから読まれたくない気持ち半分のまま、つらつら感想書いていきます。
*全然まとまってません。*ネタバレ注意です
あらすじ
ーこれは、限りなく近く、しかし同一と定義するにはあまりにも異なる世界に起こる物語ー
舞台は、異能力”イグジスト”を持つ者達が集められた場所、『英雄学園』
そこへ殴り込んだのは、無頼無法のうつけ者「䋝田ノブナガ」(オダノブナガ)
彼を迎え撃つのは、英雄学園のイグジスター達
「芹爽カモ」(セリザワカモ)率いる、風紀委員会『学園守護職・壬生狼士隊』
「アーサー・アルトリウス」を会長とする、生徒会『執行機関・円卓の騎士』
学園を統括する存在、『特待Sクラス』様々な思惑が交錯し、各々の意志が英雄学園にて相克する
己が存在を証明する英雄達の絆と裏切り、そして、再起の物語
(公式より引用)
音響照明がすごい

観て最初に出た感想、「音照すごい」
私も学生のとき、ちらほら役者もやってましたが、基本は音響さんでした。
演出と相談しながら、あーでもない、こーでもないと、パソコンから変な効果音、BGMを出しながら音集めを行い、特にオペのときはコンマ1秒でもズレたら台無しになる大変さを経験するわけですが、全てを的確に当てている。すんご。え、まじ、すっご。
殺陣とかバトルシーンって特に大変だと思うのに、バキ練どんだけやったん。
マリアが銃ぶっ放すシーンとか、カモさんが時間止めるシーンとか、能力使ったバトルシーンでも、効果音に加えて照明で表現していて、CGとか使わずとも、亜空間みたいなん表現できるの凄すぎました。
画作りがすごい

『萬劇場』は行ったことがないのであれですが、箱の規模的には、広くない、もっと言えば「狭い」くらいだと思います。しかしそこに28人が並んでいても、全くギュウギュウ感がありませんでした。
舞台を端から端まで前から奥まで最大限活用して、武器なり持って激しく動いても、どのシーンとっても見せ場をしっかり作っているところがプロでした。
アクションシーンでのひとつひとつの動きが見やすく、立ってるだけでも存在感がある俳優さん達が流石なのはさることながら、4~8人程度の役者を入れ替わり立ち替わり、テンポ良く華麗にシーンを転換できる演出が素晴らしかったです。
世界観とストーリーがすごい

情報を整理すると、28人のキャラクター、「イグジスト」と呼ばれる異能力、異能力を持つ者を集めた「英雄学園」、その中での勢力「風紀委員会『壬生狼士隊』」「生徒会執行機関『円卓の騎士』」「特殊待遇スペシャルクラス」。そこにかちこむ、ノブナガ勢力。
情報過多感はあるのに、歴史上の人物や伝説、神話など、馴染みのある情報とリンクし、個性を出した衣装と勢力ごとの統一された衣装で、全然スッと入ってくる。
「一回一回名乗る」みたいな口上自体は歌舞伎や特撮で慣れてる日本人としては違和感はなくとも、「イグジストを最大限発揮するため」という設定でなんなくクリア。これのお陰で、誰が誰だっけ問題も解消されます。なんか、ヒロアカより覚えられたわ。
オリジナリティがあるのに、どこかで観たことある、というそこの絶妙なバランスがとても良く、良い感じにお腹いっぱいになります。柿喰う客の「美少年」観たときみたいな、濃いけどギリギリ付いてこれて、繰り返し観たくなるあの感じ。
また、派手なアクションに気を取られがちですが、キャラクターたちの泥臭いぶつかり合いが魅力的です。ノブナガチームVS学園チームなんかと思っていましたが、それぞれの勢力同士でも対立、勢力の中でも内輪もめ。
あらすじにも「様々な思惑が交錯し、各々の意志が英雄学園にて相克する。己が存在を証明する英雄達の絆と裏切り、そして、再起の物語」とありますもんね。
外面が剥がれ落ち、根源的な欲求が剥き出しになったとき、これまでの摩擦や不満が表出して、正面からの衝突を通して関係性が再構築されていく。キャラクターたちの心情の変化、関係性の変化が繊細で、描かれ方が丁寧でした。
登場人物の個性がすごい
ここからそれぞれの個性豊かな登場人物について、書いていきましょう。関連する史実、伝説、神話についても調べていきます。
侵入者たち①
英雄学園へのカチこみ勢力。バトルジャンキー3名。
䋝田ノブナガ
織田信長。
主人公。血流操作で身体能力アップするみたい。強さに興奮するところは、絵に描いたような主人公。どこかで観たことある感のあるキャラクターでした。あ、分かった、ドラゴンボールの孫悟空的な、、、ワクワクすっぞ。
朱智ミツヒデとのやりとりで、彼女を言葉と熱量で変えていくところが印象的でした。
破柴ヒデヨシ
羽柴秀吉。
ノブナガの相棒。身体を鋼鉄化できる。刀狩りってそういうことか。秘宝狙って突っ走ってたけど、結局なんだったんだ。ノブナガとのフィストバンプ、うぇーいって感じが好き。
葦利ヨシテル
足利義輝。室町幕府第13代将軍、剣豪として知られます。松永久秀による襲撃を受け、刀を四方に突き立て次々に抜いて応戦したという伝説的逸話があるそう。
劇中では、背中に二本、腰に二本剣を帯刀。空間転移できます。アーサーへの「見えてんのかい!見えてないのかい!どっちなんd」が個人的にツボでした。ひょうきんなキャラでめっちゃおもろい。
塚原卜伝(つかはらぼくでん)に師事していたようで、下で紹介している祭藤デンキボウの兄弟子だったようでした。
侵入者たち②
同じ侵入者でも別枠だったので分けました。
祭藤デンキボウ
んー、齋藤一かな?
「そちらが先に抜いたんだ。強き俺は悪くない」と叫び、バッサバッサと人を切り倒していく剣士です。
序盤で学園のひとたちが「また」来た、と言っているので、学園侵入の常習犯なんだろうか。
目的は、師匠に教えてもらえなかった剣術を求めて兄弟子である葦利ヨシテルを探していたようですが、ストーリーの本筋にめちゃめちゃ交わることはなく、世界観がなんだか別でしたね。
「人が死を感じるときにその命が輝く。その瞬間を見るために~」と言って殺しを正当化していて、人間としての登場人物の中で一番ヤバイ人だと思いました笑
禍森居士(ニャルラトホテプ)
果心居士。
相手の目や心を欺く幻術・妖術の使い手として語られる果心居士(かしんこじ)を隠れ蓑にしたニャルラトホテプ。
神話の中で「人間に興味を持ち、楽しみながら混沌を撒き散らす、狡猾な神」とされていますね。劇中では、顔を他人に変えられる人として登場しますが、中盤で「人ではない」ことが分かると。
序盤と終盤で彼が話すときに、複数の声が混ざるという演出。(ハケで俳優さんたちが同時に喋ってるんやろな)神が尊大に不気味に喋っている感じが表現されていました。
ヒャッヒャッヒャッヒャッという笑い声がだんだん癇にさわってくるのはなぜだろうか。
ま、この舞台でのヴィランでしたね。「暇つぶし」、要は「遊び」で、英雄学園で、実験的なことをすると。
みんなの悪徳、根源欲求をむき出しに。それは、7つの大罪である「傲慢」(アントワネット)、「強欲」(モルドレット)、「貪食」(ヒデヨシ)、「色欲」(新美)、「憤怒」(ベディヴィア)、「嫉妬」(ランスロット)、「怠惰」(ジャンヌ)。
欲求むき出しに、衝突していく人間たちを観察して、「こんなことをする理由なんてないw」と言い放つ。腹立つねー。人間使って社会実験するあたり、『ダークナイト』のジョーカーみたいな。
風紀委員会『壬生狼士隊』
新撰組の前身である壬生狼士隊を冠した風紀委員会。浅葱色の段だら模様の腕章をつけている。銀魂ファンにとっては新撰組が出てくるだけで興奮します。
朱智ミツヒデ
明智光秀。
もう一人の主人公。女性です。
ビクビクしてる系の、風紀委員の新人。刀の使い方も慣れない感じ。うまく扱えない感じ表現すんの逆に難しそうで、すごいなあと思いました。
みんなが正気を失ってからは「みんなを正気に戻したい」という思いでノブナガに励まされながら自信を見つけ、信念を貫いていきます。
能力としては、返戻仁功(へんれいじんこう)という能力で、人を回復させたり、正気を失った人を元に戻せるというもの。
舞台の終盤で、このイグジストが時間を巻き戻すものと分かり、また、それが活性化(超活性)して強くなり、幾度となくノブナカの窮地を助けます。
芹爽カモ
芹沢鴨。新選組の初期局長のひとり。史実では剛腕・派手好き・酒好きで、粗暴な一面も多くの記録に残されていて、芹沢派と近藤派で内部分裂。
劇中でもスペシャルクラスにたてついたり、風紀委員会の中でも単独行動したりと、芹沢氏がそのまま体現されていましたね。信念で動く反体制的なカリスマと言いましょうか。剣術と時を止めるイグジスト。能力使うときの「俺の時間だ」はかっこよかった。途中からちょっとジャイアンに見えてきました。
近導イサミ
近藤勇。
暴走する局長に振り回される漢。イグジストは空牙(クウガ)。衝撃波的な感じか。
山涙ケイスケとペアで。まっすぐで誠実なだけに、不安になりがちなのをケイスケに支えて貰ったり。
山涙ケイスケ
山南敬助。史実でも穏やかな人物だったみたい。
劇中でも途中までは常識人枠でしたが、「イグジストは可能性だ」「他者を顧みない奴は排除する」と過激な思想を持ち、近導イサミと衝突することになります。
穏やかな人怒らせたら怖いよな。
終盤では、「『甘さ』ってのは他者への信頼と情なんだよ」というイサミの情の厚い言葉もあって和解。ほっこりしました。このイサミ×ケイスケペアはとても好きです。
茉永ヒサヒデ
松永久秀。日本初の爆死者。
劇中の能力も爆発系でしたね。序盤、侵入者の解説をするときにノブナガの説明がやたら詳しいので、なんで?と思っていたら、それはノブナガへの復讐を目論んでいたからでした。イジメにあってて、それを一瞬だけノブナガが止めていなくなったからイジメがエスカレートしたと。
それでもノブナガがあっけらかんとしているのを観て、ブチ切れ。学ラン、腕章、メガネの衣装でしたが、腕章捨てて、学ラン脱いで、メガネも外して、とだんだん敵意むき出しに、半ば投げやりに、突っ込んでいく狂気は良かったですね。
結局返り討ちにされるけど、「いつでも相手になってやるから俺を追いかけてこい」と、復讐を否定しないノブナガはノブナガで、ノブナガしてました。
*ヒサヒデ役の俳優さんが、「感想記事書きましたー」っていう私のXのポストにいいねしてくれました。ありがとうございます。ブロガー冥利に尽きます!
新美ニシキ
新見錦。
女性キャラです。「最良は無傷の捕縛、次点で半殺し、最悪ブッ殺せ!」の語感とリズムが良すぎて好き。姐御感。能力は短刀で刺した相手を操れるようになる、恐ろしすぎる。
沖汰ソウジ
沖田総司。
女性、明るく無邪気。鞘をデコっている、ちょっと古い感じの、とてもギャルでした。静電気を蓄電、放電できます。ミツヒデに正気に戻して貰ったあと、3人で抱き合うニシキ・ソウジ・ミツヒデの女性トリオもなんだか観ててほっこりしました。
生徒会執行機関『円卓の騎士』
生徒会ですね。衣装にエポレットがついててかっこいい。アーサー王伝説ってか。「刃神拳(はしんけん)」という拳法を、みなさん鍛錬で身に付けているようでして、腕を刀のようにして戦うスタイルです。
アーサー・アルトリウス
円卓の騎士団を率いた正義と栄光の王、アーサー王。
生徒会長として登場。クリアビジョンという能力で、人の攻撃を見切れる。
人の気持ちが分からないので、他人の感情を推し量らずに発言する様子がしばしば見られましたが、終盤ではそこに向き合って、一度は対立した生徒会の結束が強まるところは熱かった。
ギネヴィア・グアンフマラ
アーサー王妃。
基本アーサーにくっついていて、これが何かしらのいざこざを生んでいく。
4つの剣を操れる能力者。他の4人とは戦うスタイルが異なっています。剣のデザインが4本違ってかっこよかった。
モルドレット・メドラウト
伝説上では最終的に王を裏切る人物。
劇中ではアーサーを「お兄ちゃん」と呼び、身内らしい。そして「好きだ」と叫び、禁断の恋的な。だからいつもくっついているギネヴィアとは対立ぎみ。
ランスロット・ランツェレト
アーサー王の円卓の騎士、伝説ではギネヴィアと禁断の恋に落ちる。
女性はアーサーしか見ていない!と生徒会長に嫉妬。中盤、みんなが感情むき出しになり、自分を取り合う女性たちを見て、シンプルに嬉しそうなの面白かった。イケメンで、なんでもできそうなのに、嫉妬深くて不器用な感じが良いですね。
ベディヴィア・ベドウィール
アーサー王の忠臣として知られる騎士。
女性。能力的には、人の動きを止められる?っぽい。
彼女がノブナガに刃神拳の解説しているときの、勝手に突っ走っていく感じと、ランスロットのわたわた感が好きでした。
特殊待遇スペシャルクラス
学園を統括するチーム。特待Sクラス。武力最強な人と、お嬢様の集まり。キャラとしていっちゃん好きなグループです。
レオネスト・ダ・ヴィンチ
レオナルド・ダ・ヴィンチ。万能の天才。
Sクラスの中でも筆頭。
俳優さんの体格や出で立ちも、サングラスにワイシャツネクタイ&サスペンダーという衣装も、既に強そう。居るだけなのに「格」が違いまっせってのが表現されていた。すごい。
最小限の動きでスマートに戦うバトルシーンも大好き。能力はディフィニーボ。すべてを貫く拳。いや、そう、この人素手で戦うのもポイント高い。
お嬢様二人のケンカを一言で諫められるのもすごいよな。
あと、イグジストを最大限使えて無双モードになるのを「超活性」っていうらしいんだけど、その説明シーンの演出。マリアとの掛け合って背中合わせになるシーンが、アニメっぽいかっこよさでとても良かった。
「極地にいるのよ」「「わたしは!!」」「極地にいる!!」
マリアレーゼ・アントワネット
マリー・アントワネット。
通称「黒鉄の魔女」。勝ち気な銃使い。高笑いしながら銃乱射。生徒会長にさえ銃ブッパ。ここまで来るともう気持ち良いよね。ロマンある。イグジストは、亜空間からの魔力仕様の銃弾の雨。無数の銃口が一斉に向けられんのゾクゾクするよね。
あと一番口悪い。英語にしたら「ピー」音入りそうな罵詈雑言多かった。「不合理、不愉快、クソオオオオオオ」
おお罵倒言葉っ。俳優さんもエネルギー消費すごそう。
でもジャンヌが正気失ったときに、正面から叱ったのは胸熱でしたね。
特待クラスとしての矜持を失って、怠惰から復活しようとしないのが腹立つのもさることながら、対等に喧嘩できなくなるのが怒りポイントだったんだろうなあ。ジャンヌとの喧嘩再開できたとき嬉しそうだったもんね。よかったよかった。
ジャンヌ・ダリア
ジャンヌ・ダルク。
人を回復させるイグジストを持つ。史実では村娘、戦士ですが、劇中ではお嬢様キャラですね。出で立ちがまさにお嬢様で、でもマリアとは違う種類のお嬢様ですごいなあと。
ジャンヌとマリアペアでは、衣装も黒と白とで対比しています。
史実上使命を背負って戦った少女だったからこそ、根源欲求は「怠惰」を表現していたのかしら。
マリアの煽りにすぐにキレ散らかすのも、怠惰で赤ちゃん返りするのも面白かった。煽られたあと「はあ~?!」のときの、んーなに砲丸投げ的な身振りも、少しだけ間抜けで好きです。
このペアの関係性好きです。
ジル・ド・レドゥアン
ジル・ド・モンモランシー=ラヴァルですかね。ジャンヌ・ダルクの戦友。
史実の人物も猟奇的殺人犯として処刑されたようですが、劇中でも能力が「絶対破壊」。両手剣で刺されたり切られたら死ぬ。狂気を感じますね。
ジャンヌの付き人として登場し、ジャンヌによって力を封印されてると。
治すジャンヌと破壊のジル。
あ待って、ジャンヌすごいな。
総括

さてさて、情報量が多いのもありますが、神話や歴史を知っているとなお面白いというのもあり、何度も観て楽しみたくなる舞台でした。生で観てみたいけど、脳みそ小さい私としてはDVDで正解だった。(これ書いてる時点で3回観てるからね、ははっ)
照明、音響、演出、衣装、役者、全てがプロの仕事。ひとつひとつの丁寧な技が織りなすステージ。声の出演の声優さん、七つの大罪の髙木裕平氏なのもポイント高い。熱量が終始高くて、エネルギーをもらえます。拍手喝采。
2026年1月28日~2月1日に第二弾があるようで、これは行くしかないな。楽しみです。
まとめ
そういえば、私も学生時代、しかも人生初舞台で、織田信長とか史実の人物の名前もじったキャラクターたち(明智ッチッチ光秀とかね)の、情報量の多いバトル劇やったなあと思い出しました。のぶながは悪役。私はキレ芸をかます、ボイパ姉さんの役でした。
観に来て貰った友人に、「お腹いっぱい」って言われましたもんね。
リンク貼っておきます笑(ここで宣伝するっていう。)
以上です。
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