こんにちは、たけうちです。
コナンの哀ちゃんファンになったことをきっかけに、灰原哀役を務める林原めぐみさんのファンにもなりました。
ちっちゃい頃ずっと見ていたポケモンの、ムサシの声もあてていると知ってびっくり。表現力豊かで、耳に残る声が大好きになりましたね。
今回は、「林原めぐみのぜんぶキャラから教わった今を生き抜く力」という本を読んでの感想を書いていきます。
セリフは言葉のラリーの一部
林原さんの新人時代。「チンプイ」というアニメの春日エリちゃんの役のとき、ダメ出しをされまくる、という経験をしたといいます。
なにがダメなのか分かれば、修正していけばいいものですが、このときはなにがダメなのかすら分からないという状態だったそう。
絶望し、心が腐りかけていた頃、共演者と作品以外の話をしたり、スタジオで会話しみんなで笑って関係を築いたことで、気づきがありました。
台本の中の自分のセリフをうまく言うのではなく、相手のセリフを聞いて、理解してその上で出る自分のセリフ。
林原さんがダメ出しを受けまくっていたときは、自分のセリフをうまく言うことだけにフォーカスしてしまっていた。そのことに気づいた途端、ダメ出しはパタリとなくなったといいます。
たしかに、劇の基礎は会話。それぞれが台本にあることを言うだけでは、それっぽくなったとしても、そこから感動やメッセージは伝わってこない。
そう言うのは簡単でも、それを理解して劇をつくっていくのは、たやすいことではないですよね。
林原さんにも新人の時代があった。どんな人にも新人の時代があって、人を通して学んで成長して、今があるのだなあと感じました。
役を通して新たな視点を得る
キャリアを積む中で、難解な指示に困惑することもしばしばだった林原さん。
例えば、エヴァンゲリオンの綾波レイ。この役を演じる上で、監督からの指示は「感情がないわけではない。知らないだけ。」というもの。
分からなすぎるw
感情がどこから出てくるのか、感情を知らないとは一体どういうことか。
林原さんが、本を読んだり、自問自答を繰り返し、病みそうになりながら出した結論は、以下のようなものでした。
人間は自分自身に嘘をつける生き物であるということ。そして、自分自身で自分の嘘に気づけないことも多くあるということ。
例えば、いつも「胃が痛い」と言っている人。「治りたい」と言いながらも、病院に行ったり、薬を飲まない。
それはなぜか。
治りたいと表面では言いながらも、「治りたくない」と思っているから。だって、人が自分を心配してくれなくなるんだもの。
この深層心理について、本人も気づいていない。人間には表と裏があって、裏について自分自身も気がつかないことがある。
人間とは不思議な生き物ですね。
そのようなことに気がつき始めた林原さん。綾波レイは感情を知らないだけ。
嬉しいなら嬉しい。嫌いなものは嫌い。
嬉しくないのに嬉しい「ふり」
嫌いなのに好きな「ふり」
そんな「ふり」ができないのが、綾波レイ。
そのようにキャラクターを理解し、あの淡々とした抑揚のない表現が生まれていったそうです。
知らず知らずのうちについている自分への嘘。なんかもう虚無というか、恐ろしいというか。そんな気持ちになりました。
そんな心理の動きについて考え、体得していけるのは、キャラクターの深掘りをやったからこそですね。
役を通して、いろんな視点を得て、あの表現が生まれているのだなあと思いました。
まとめ
この本を読んで、林原さんがもっと好きになりましたね。文章も表現が豊かで、しかもサクサク読めます。
キャラクターの性格や心理を言語化、自分の中でそのキャラクターの要素を探したり、理解をして、自分の中から湧き出るキャラクターで演技をする。
声優とは奥深いお仕事だなあと、演劇人の超端くれとして思いました。声優目指してみようかな。おもしろそう。
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