【書評】フェミニズムを学ぶなら「僕の狂ったフェミ彼女」を読もう

 

こんにちは、タケウチです。久々に面白い本に出会い、一気読みしてしまいました。それが「僕の狂ったフェミ彼女」。

 

もともとフィミニズムに興味があるのもあり、「そうそう、そういう男の古い価値観うざいよね!」とか共感しながら読みました。

 

韓国で大ヒットし、映画化も決まっているのだとか。楽しみですね。

 

以下、感想です。

 

女性がうんざりしている男尊女卑

 

この小説は、僕の「一般的な」認識を通して、立場の違う彼女を批判することで、韓国の男女観や認識の歪みを描き出すという手法が採られています。

 

例えば、「マンスプレイニング」。簡単に言えば、頼んでもないのに男の人が女の人に「こうだよ」と知識を教えて「あげる」行為ですね。

 

主人公は「一般的な」男性なので、男目線から描かれますが、本当に無意識。しかも、「教えてあげた」「彼氏として義務を果たした」など、自己満足し、彼女とのケンカのときには感謝を強要するわけですね。

 

他にも、「女が男を誘惑している」、「家事労働は女の仕事」、「結婚は幸せなこと」、「男が女を守る」などの認識を通した発言もみられました。

 

特に、男性に悪気がないところがポイントですね。別に深くは考えず、言い放つ。それに対して彼女は、説明を求めたり、疑問を投げかけます。

 

男性はフェミ彼女に対して、「フェミニズムにとりつかれている」「普通じゃない」と批判する訳です。

 

例えば、主人公の親族での集まりのとき、主人公の祖父が「レストランは高くてまずいから、それぞれが持ち寄って食事にしよう」と発言。

 

主人公は、フェミ彼女に電話でそのことを話すのですが、フェミ彼女は、「なんで女性の家事労働はタダだと思うんだろうね」と。

 

「いや、ほんとそれな」と共感してしまいましたね。 

 

 

権利を主張してばかりで義務を果たしていない、への違和感

 

フェミニズムという立場に立ち、「一般的」な価値観に疑問を投げかけ主張する女性に対して、主人公は物語の中で終始批判します。

 

その中で「権利を主張してばかりで義務を果たしていない」という文も。日本でも、性的少数者の権利を主張する人に対して、保守派の人がそのような旨の発言をすることがありますよね。

 

私はこの主張はおかしいと思っています。

 

 

だって、義務と憲法で守られるべき権利は引き換えではないから。自由権や自己決定権、結婚の自由、表現の自由など、様々な権利が憲法によって保障されています。

 

それは、教育を受けてなかろうが、働いてなかろうが、税金を払ってなかろうが、関係がありません。

 

フェミニズムは、基本的に男性と同じレベルの権利保障を求める立場。例えば、性的行為の自由。するも拒否するも自由なわけですが、実際はそうもいってないのが現実。

 

同意のないセックス(レイプ)のときには、実際は怖くて声も出せないこともあるわけです。

 

 

しかし、権利を議論するときは男性が中心。「自由」の観点から、抵抗がない=同意、という男性目線の捉え方のみで、議論がすすみ、女性が選ぶ権利は保障されないわけです。

 

 

また、私が違和感を持ったのは「虚偽告発罪」。女性が、男性をセクハラやレイプで訴えたものの、女性が敗訴した場合に、男性が女性を「虚偽告発」として訴えられるというもの。

 

法学部で法律を学んでいた身としては、司法というものの存在意義を揺るがす犯罪だなと思いました。

 

特に、性的犯罪は証拠が出づらく、女性が泣き寝入りしやすいもの。勇気を出して訴えても、それが数倍になって自分に跳ね返ってくるかもしれないならば、被害を訴えるメリットが小さくなり、犯罪が横行しやすくなってしまいます。

 

隣国を見て、日本も学ぶことが多いのではないかなと思いました。

 

まとめ

 

僕の狂ったフェミ彼女の感想を軽くまとめました。フェミニズムというものを触ってみたい、知ってみたいという人にはおすすめの本ですね。

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