ブロードウェイミュージカル「ハミルトン」を観劇してみた感想と徹底解説!(ネタバレあり)

はい、どうもたけうちです。突然ですが観劇記事第二弾書きます(ヨイショ)

第一弾はこちらから↓

【舞台】『英雄学園 ~RE;bonds and betrayal~』を観劇してみた感想 (Project EAS(脚本・演出 須藤旭))

観劇記事と言えど、1万字近く書きたくなるような大好き舞台しか書きませんが(ヨクナイネ)、裏を返せば(?)、私が大好きな物を布教したいなっていう記事ですね。

 

さて、ミュージカルの中でも一番好きと言っても過言ではない舞台があります。それが、こちらブロードウェイミュージカル「Hamilton」。


これがね、最高なんですよ~。ということで、今回は、ディズニー+で配信中の、2016年上演されたものを映像化した、ブロードウェイミュージカル「Hamilton」をさばいていくウ。

 

役を演じる俳優も当該配信でのものに準拠して、感想書いていきます。では、いきましょう!

ブロードウェイミュージカル「ハミルトン」とは

『ハミルトン』とは、アメリカのブロードウェイで2015年に初演された、アレグザンダー・ハミルトンの伝記をもとにした歴史ミュージカルです。アレグザンダー・ハミルトンとは、アメリカの建国の父の一人ですね。

 

そして、作・演・作曲・作詞はリン・マニュエル・ミランダという人物。学生時代にインザハイツを書いたのは有名ですね。他にもディズニー作品で、『モアナ』や『ミラベルと魔法の家』の楽曲を書いたりもしています。

ざっくり分かり易く筋だけあらすじ

第1幕

アレクサンダー・ハミルトンの生い立ちと、最後どうなるかというざっくりした人生を解説♪”Alexander Hamilton’’

1776年、ニューヨークに移住し、ハミルトンはアーロン・バー、ジョン・ローレンス、ラファイエット、ハーキュリーズ・マリガンと出会う♪”Aaron Burr, Sir”

チャンスをものにしてやるぜ!歴史に名を残すぜ!という強い想いを歌う。まだ20歳なん?え、まじ?♪”My Shot”

そして、革命の目的を口々に語り、仲間が出来て嬉しそうなハミルトン♪”The Story of Tonight”

アンジェリカ、イライザ、ペギーのスカイラー姉妹、街で男を物色。知性と革命の偉大な街、ニューヨークの素晴らしさを歌う♪”The Schuyler Sisters”

ジョージ3世がイギリス愛とアメリカへの支配欲と権力を誇示♪”You’ll Be Back”

ニューヨーク・ニュージャージー方面作戦の間、現場主義のハミルトンだったが、ジョージ・ワシントンからの打診を受け副官に昇進。大昇進だね♪”Right Hand Man”

ハミルトンはイライザ・スカイラーと出会い、結婚。順調やな。”Helpless”

イライザの姉アンジェリカは、ハミルトンが好きであることを独白。2人の幸せのために自分の気持ちを封印する♪”Satisfied”

バーは機を待つという自分のスタイルと、主張して上り詰めるハミルトンとの対比しながら、静かな情熱を語る♪”Wait For It”

横暴を働く将軍、リーに対して腹を立てた。ハミルトンと、友人であるローレンス。ローレンスはリーと決闘する♪”Ten Duel Commandments”

ハミルトンはこの決闘によりワシントンから謹慎を受けて、家に帰るとイライザが子を身ごもっていた。イライザは、生きているだけで十分と諭す。♪”That Would Be Enough”

ヨークタウンの戦い最終戦の計画ために呼び戻される♪”Guns and Ships”

戦争に勝利し、アメリカが独立。”Yorktown ”(The World Turned Upside Down)”

 

ヨークタウンの戦いの勝利の直後、ハミルトンに息子フィリップが、バーに娘セオドシアが誕生する♪”Dear Theodosia”

弁護士となったハミルトン。出世しあっという間に代議士へ。『ザ・フェデラリスト』を共同で執筆し、就任したばかりのワシントン大統領から財務長官を拝命♪”Non-Stop”

第2幕

トーマス・ジェファーソンがフランスから愉快に帰国♪”What’d I Miss”

1789年、トーマス・ジェファーソンとハミルトンは閣議でハミルトンの財政計画の利点について議論。銀行を作りたいハミルトン。ワシントンは妥協も必要だと諭す♪”Cabinet Battle #1″

ハミルトンが妥協案の検討のために家に残る。イライザ、息子のフィリップ、そしてアンジェリカは、休暇に出かける♪”Take a Break”

家で一人のハミルトン。家を訪ねてきたマリア・レイノルズと不倫を始め、「黙っていて欲しければ金をよこせ」とマリアの夫に脅迫される♪”Say No To This”

ハミルトン、ジェファーソン、ジェームズ・マディソンは私的なディナーの席で、ポトマック川沿いに連邦首都を移すことと引き換えにハミルトンの財政計画を行なう「1790年妥協」を作成する。バーはハミルトンの議会での活躍を妬み、自らも「その場にいたい」と権力を望む♪”The Room Where It Happens”

閣議において、ジェファーソンとハミルトンは第一次対仏大同盟でアメリカがフランス側につくかどうかで口論となる。元弁護士のハミルトンは、弁舌で言いくるめ、ワシントンはハミルトンの主張する中立の立場に同意する♪”Cabinet Battle #2″

ワシントンは大統領職を退任すること告げ、ハミルトンは辞任挨拶の執筆を手伝う♪”One Last Time”

ジョン・アダムズが第2代アメリカ合衆国大統領となり、ハミルトンを解任したためハミルトンは新大統領を罵倒♪”The Adams Administration”

さらに、ハミルトンとマリアの不倫がジェファソン達にバレ、自らそれについて著したために、明るみに出る♪”The Reynolds Pamphlet”

ブチギレイライザのお歌♪”Burn”

そんな最中息子のフィリップがジョージ・イーカーとの決闘で19歳で死亡♪”Blow Us All Away”

喧嘩している場合でなくなり、ハミルトンとイライザは和解する♪”It’s Quiet Uptown”

1800年、アメリカ合衆国大統領選挙。ジェファソンVSバーとなる。どちらがハミルトンの票を得るかが争点に。バーはハミルトンの票を期待したが、ハミルトンはまさかのジェファーソン支持。♪”The Election of 1800″

ブチギレバーのお歌♪”Your Obedient Servant”

バーはハミルトンに決闘を申し込む

ハミルトンは銃弾に倒れる。走馬灯では、彼の人生や信念が語られる♪”The World Was Wide Enough”

歴史は君を見ている。そして誰がそれを語り継ぐのか、というメッセージ♪”Who Lives, Who Dies, Who Tells Your Story”

すごいところ挙げてけ

『ハミルトン』の特徴は以下3点です。

・ハミルトンの生涯をヒップホップ音楽で綴っていくこと

・俳優の人種が様々だということ

・歴史が君を見つめているというメッセージ

すごいところ語っていく!

ラップで進んでいく物語

まずこれは言わせて欲しい。

ずーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと歌っとる。

 

人物紹介も歌!議会での議論も歌!ヒップホップで!ラップで!!

 

そして、これでもかというくらいに韻を踏みますが、それがちゃんとストーリーとして成立する韻なので、感銘を受けました。普通に歴史の勉強にもなるしね。制作に長い年月がかかっているだけありますね。

 

というのも、このハミルトンの楽曲の一部は2009年に、ミランダが作曲しており、そこから7~8年再考に再考に重ねて、最高な曲にしたとのこと(SAIKO)

 

繰り返し繰り返し聞いてしまいます。特に気に入っているのがこの曲↓スカイラー姉妹のお歌ですね。

 

女の権利を主張する力強さも、ハイトーン出せる歌唱力の高さも、リズムもテンポ感も大好きでさ、もう聴きすぎて観すぎてさ、ダンスも一部踊れるもんね(笑)

既成概念の打ち破る配役

ハミルトンは移民ですが、アメリカ独立の時代(18~19世紀)で、上に上り詰めている人って、まあほぼ100%で白人なんですよね。史実では。

 

しかしこの『ハミルトン』という作品では、すべてをぶっ壊してきます。アーロン・バーやトーマス・ジェファソン、ジェームズ・マディソンが黒人。黒人、白人、ヒスパニック系が三姉妹だったりするし、戦争で活躍する青年もヒスパニック系だったりする。

 

“The Story of Tonight”では、有色人種の男達4人が、友情と兄弟愛を歌ったりなんかして。白人が中心だったアメリカの歴史からすると、革命的なのではないでしょうか。

 

それに強さも弱さも持った女性、そして女性達も革命の立役者になっている部分をきちんと描いている部分も素晴らしくって。

歴史が君を見つめている

疑問を投げかけ、対話の糸口を与える。『ハミルトン』では、鑑賞後に歴史を調べたくなるように芝居を創り上げています。

 

米国の制度的人種差別。ジョージ・フロイド氏が警察官に殺害された一件で、より一層アフリカ系の人々の地位向上が叫ばれるようになった21世紀。(Black lives matter)

 

「移民は4倍努力して、ようやく得られるのは白人の半分」

 

そんな問題を建国以来抱え続けるアメリカの歴史に、このハミルトンという作品は理想のために戦うことの尊さを人々に訴えています。

 

芝居が終わっても、その頃、その時代との対話、そして、現在を生きる者同士で対話は続いていく。

 

そしてハミルトンが作品の中で常に暗示しているのは『行動』です。ハミルトン達が、革命に火をつけて行動することで、アメリカが建国され、民主主義の礎が築かれました。

 

様々な問題を抱え、不当に有色人種の命や権利を奪われる、ということは今も昔も同じで、歴史を繰り返していても、「それに対してじゃあ国にどんな変化を求めるのか」ということを考え、行動を起こすことはできます。

 

Black lives mattarの運動も、現在の若者達の状況と重なる部分がありますね。

 

権利を奪われ歴史から閉め出された人々が自分達の言葉で語る、この『ハミルトン』は、「自身の国について当事者意識を持つ」、そして「国を存続させていく責務」を、観る人に思い出させます。

 

劇中の”Who Lives, Who Dies, Who Tells Your Story”という歌の中で、『誰が生き、死に、誰が語り継ぐか』という歌詞があります。

 

まさに、語り継れてきたものを観ることで、その時代との対話を通して、現在を変えていくヒントになるのではないでしょうか。

登場人物

以下では、個性豊かな登場人物についても紹介していきます。

アレグザンダー・ハミルトン

主人公。とんでもなく野心家。なにか成し遂げたい、と焦るように生きる男。

 

私生児、孤児、売り女とスコットランド人の息子という卑しい生まれであり、父親の失踪、母親の病死や従兄弟の自殺など、不運に見舞われた幼少期。

 

本を読みまくり、働きまくり、自分の頭で考えて生きていく道を選んだ青年期。

 

死と身近な人生だからこその彼の自己の存在証明への渇望と、自由な国へ生まれ変わろうとするアメリカの舞台が合致し、弁舌と文才で上り詰めていく様は痛快でしたね。

 

ただ、自己主張が強すぎて自分を右腕にしてくれたジョージ・ワシントンに楯突いたり、閣僚とずっと対立していたり。

 

それから、ワーカホリックすぎて家庭をないがしろにした上に、マリア・レイノルズと不倫。

 

酷いは酷いんですが、生きるのちょっと苦しくてちょっとした逃げ道というか、癒しを求めてたんやろなーと。

 

人生ずっと焦燥感に駆られてるのもしんどいですからね。そりゃそうやなと。出来心じゃなく、それまでストレスが丁寧に描かれていたことで、善くないことにも関わらずちょっと共感してまいました(笑)

 

ただ成功していくだけでなくて、彼の失敗やちょっと嫌なところもきちんと描かれているのは人間味があってとても見応えがありますよね。

 

また、度々歌の中に出てくる“I’m not throwing away my shot”は、主にチャンスを無駄にしない、という意味。そして、shotは、お酒のショット、チャンスという意味でのショット、そして銃弾のショットのトリプルミーニング。

酒の場で仲間と出会い、チャンスをものにした後で、最後は銃弾に倒れる。彼の人生を表わすと同時に、ちょっと呪いっぽい感じもありますね。

アーロン・バー

ハミルトンと同じく孤児出身ですが、両親がお金持ちで、プリンストン大学を飛び級で卒業している神童。

 

ハミルトンの先輩、友人となり、彼と同じく野心家ですが、上を狙う姿勢が結構受け身。主義主張でどんどん出世していく彼に嫉妬。最後は決闘にてハミルトンを射殺してしまいます。

 

バーの信条は「口数を減らせ、もっと笑顔を、人に主義主張を明らかにするな」「おしゃべりな愚かな者は命を落とす」「失敗しないように機を待つ」というもの。

 

周りとの摩擦は何も生まない、という考えはとても日本人的というか、私はとても共感するところです。

 

「雄弁は銀、沈黙は金」なんて言葉があるくらいの日本ですからね(笑)主義主張をすることを正とするところはアメリカっぽいなと思いました。

 

「主張なしに倒れてどうするんだ!」というハミルトンとは真っ向から対立し、最後は、「おしゃべりな愚かな者」の命を、自分が奪うことになるという皮肉。

 

最後にバーが「愚か者はどっちだったんだ」と後悔まじりに呟くシーンは、ぐさっと来ますね。

 

アーロン・バーの曲で、彼の想いを歌ったもの好きなのは”Wait For it”。

 

そして、普通にメロディラインが好きすぎるのが、”Dear Theodosia”と””The Room Where It Happens”ですかね。

 

“Wait For It” → 生かされている理由があるならそれが分かるまで待ってやる。という静かながらも情熱的なソロ。

“Dear Theodosia” → ハミルトンとバーがそれぞれ、息子、娘を愛おしく見つめながら、「お父さんが国の基礎をつくるからね」と優しく語りかける一曲。真逆のようで父としての想いは共鳴していたという聴いていてとても心が洗われる歌。

“The Room Where It Happens” → 「重要なことが決まる場に自分がいたいんだ」。バーが“待つ”から“求める”側に変わるターニングポイント。感情のうねりを視覚化したような一曲です。個人的には、机の上ジャンプするところがめちゃめちゃ好きですね。あと体幹と体力、歌声もきれいやし、ダンスキレキレやし、シンプルにすごい(笑)。

語り出すと止まらなそうなのでまとめますが、バーの嫉妬深くて呆れ笑いするところも、なんとかして上り詰めようと自分なりに笑顔保ちながら努力するのも、総じて人間味のあって大好きなキャラクターです。

ジョージ・ワシントン

独立戦争時の将軍であり、アメリカ合衆国の初代大統領。ハミルトンの良き理解者であり、戦争時は副官、戦後も財務長官に彼を起用。

 

戦争時は、イライザから妊娠したことを告げる手紙を受け取り、ハミルトンを家に帰らせたり、独立後も「自分がやめても国が続けば、この国はうまくいく」と言って大統領を勇退するなど、人情がありながら冷静に英断を下せる人物です。イライザも将軍に手紙書くあたり、信頼してたんやろな。

 

あと、「死ぬのは簡単、生きる方が難しいんやで」と生き急ぐハミルトンを諭す漢なんですこの人。度々、ハミルトンのことを”son”(息子よ)と呼んでいますもんね。パパ~。

 

「生きているだけで十分よ」と語りかけるイライザと重なる部分がありますね。

 

お気に入りは、”Right Hand Man”のラストで、隊列の先頭で剣を上にかざす決めポーズ。あれめっちゃかっこよくないっすか。

ジョン・ローレンス

独立戦争時のハミルトンの革命派の仲間。自由を求め、奴隷解放を謳う青年。

 

黒人部隊を編成し勇敢に戦うも、戦争終結後に撃たれて命を落としてしまいます。

 

ハミルトンが、ローレンスの父から手紙で死の知らせを受けるシーンでの、ローレンスの”The Story of Tonight”の独唱ね。1幕のラストあたりでね、あれ切ないよね。

 

「奴隷解放の夢は彼の死と共に散った」という手紙の内容と、「栄光を見ずに死んでも戦いに加わろう。いつか子供達が我らを語り継ぐ。明日には仲間が増える」という歌の内容の対比。

 

ローレンス、君の想いは後世にも残っているよ。

ハーキュリーズ・マリガン

独立戦争時のハミルトンの革命派の仲間。仕立て屋の見習い。ハミルトンと共に敵の大砲を盗んだり、敵軍に入り込んでスパイをしたりと、戦争で大活躍しました。

ラファイエット

フランス人。独立戦争時のハミルトンの革命派の仲間。革命派のランスロット郷で敵を攪乱し続けるやり手。

Guns and ships のときのラップが早すぎてまじ何言ってんのか分かんないけど、ハミルトンへの信頼が見えるところもそうだし、移民が苦労するアメリカを舞台に、ハミルトンと”Immigrant, we get job done.”(移民の俺たち、よくやったぜ)とハイタッチするシーンが印象的。

この一瞬で“共に戦ってきた者だけの絆”が一発で伝わるの、最高すぎました。

アンジェリカ・スカイラー

同レベルの知性を持った人間と精神的に繋がっていたい欲求と、「妻」「長女」としての役割を求める社会。決して満たされないとても聡明な女性。

 

そこで出会ったハミルトン。成功への渇望。決して満たされない。ああまさに求めていた人。

 

しかし、妹のエリザベス・スカイラーがハミルトンに惚れたときに、「妹の幸せのため」、そして、「ハミルトンは家柄目当て、ここでなびいてはダメ」、「精神的に繋がっていれば良いんだ」と、エリザベスにハミルトンを譲ります。

 

誇り高き優雅な諦め、知的な誇りを保つ彼女。切ない。

 

“Satisfied”では、こうしたアンジェリカの想いが語られますので、聴いてみて下さい。いや、聴け。

 

その後、アンジェリカは裕福な人と結婚しロンドンへ行きますが、精神的にハミルトンがずっとつながっているのはアンジェリカというところも度々描かれます。なんだかね、きゅっとなって叫びたくなるね。

 

あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

イライザ・スカイラー

控えめで良妻賢母タイプ、人に尽くす人生を送った女性。アンジェリカの妹。

 

彼女は生き急ぐハミルトンに対して、「無事でいてくれ」「命あることがどれだけ幸運なことなのか、生きているだけで十分」と一貫して語りかけ、いつもハミルトンのことを信じています。

 

だからこそ、不倫されたときに歌う「Burn」では、意志の強さと切なさと、どっちも感じますよね。

 

ハミルトンからの手紙を燃やしながら、静かに「燃えてしまえ」って。

 

炎じゃなくて氷のナイフで心をえぐられてるような冷たさというか、穏やかな人にブチ切れられたときのグサッと感ね。

あとハミルトンに一目惚れしたときに、アンジェリカネキに「彼は私のものやで」って主張してるあたりはとても芯がある(笑)

 

色々あったとはいえ、最後までハミルトンを信頼しており、舞台の終盤で、最後に『語る者』として先頭に立つのがイライザ。

 

実際に、ハミルトンの死後50年をかけて、ハミルトンの書いたものが後世に残るように尽力したり、ニューヨーク発の私立孤児院を設立したり。

 

静かに、そして確かに、残した人ということに胸を打たれます。

ジョージ王3世

イギリスの王様、ジョージ・ザ・サード。

 

ジョナサン・グロフが演じていて、「アナ雪のクリストフじゃん」って思いました。歌うまいのは知ってたけど、ブロードウェイ俳優でもあったんだ、知らんかった、、、。古いイギリス英語を使いこなしていて流石だなあと思いました。

 

ジョージ3世はとてもコミカルで好きです。

 

歌の中で「俺の愛を裏切るな、友達と家族殺すよ?」と冷徹で残酷なことを軽快なリズムで歌っていたり、アメリカに独立されたときは「独立したんだ、戻ってくんな」と落胆していたり、ワシントンが勇退したときは「そんなことできる人間がいるんだ」と皮肉っていたり。

 

最初から最後まで、王権の素晴らしさと権威を顕示しているわけではありますが、彼が出てくる度に良い感じに舞台の抜け感になっていて、「キタキタ」ってなる(笑)

ジェームズ・マディソン

マリガンと同じ俳優さんが演じている、憲法の執筆者。ハミルトンの政敵で、ジェファソンと仲良ししています。俳優さん、なんか見たことあるなと思ってたら、ステーション19のディーンやんな?

 

マディソンは、お仲間のジェファソンと、ハミルトンが対立しているのは分かっていっても、戦略のためにハミルトンを味方にしようなんて言ってみたりと、中々合理的な人物。例えば”It must be nice”とかね。

 

それから、ハミルトンの欠点見つけるために「金の流れ追うぞ」言うてな。

 

政治家として結構ツヨツヨなキャラですよね。

トーマス・ジェファソン

ラファイエットと同じ俳優さんが演じている、ハミルトンの政敵となる人物。フランス野郎。初代の国務長官。

 

この人はとても愉快な人物で良いですよね。特に、2幕の最初で、バーによる「トーマスがフランスから帰ってきた!」という口上のあとでの♪”What did I miss”はめちゃめちゃ癖になるw踊りたくなるw

 

ふざけつつ言ってること中々毒舌だったりするのも好きです。

フィリップ・ハミルトン

ハミルトンの息子。ローレンスと同じ俳優さんが演じていて、どちらも命を落とす役。冒頭の、Alexander Hamiltonの中でも、Me?I died for him(僕?彼のために死んだ)と言っています。

 

というか、俳優さん、アンソニー・ラモスですね。イン・ザ・ハイツの主演じゃないですか…!

マリア・レイノルズ

ペギー・スカイラーと同じ俳優さんが演じている、ハミルトンの不倫相手。

 

冒頭の、Alexander Hamiltonの中で、Me?I loved himと言っていますが、スカイラー姉妹としての「愛してる」とマリア・レイノルズとしての不倫相手としての「愛してる」がダブルミーニングになっているわけですね。

 

♪”Say No to this”で、ハミルトンが不倫し、レイノルズの旦那に脅されるまでを歌っているわけですが、この歌も大好きですね。

 

特にハミルトンの「言わなければいけないNo!」が、「言う気のないNo!」になり、最終的に「Yes!」になる、この構造も良いですし。

まとめ

今回もついつい長々書いてしまいました。よっ1万字!まだまだ多分加筆修正しますので、3ヶ月おきくらいに見に来て下さい笑

 

歌から構成から作品全体として世の中にメッセージを投げかけるまで、すべて素晴らしく、拍手喝采なわけですな。

 

あ~楽しかった。ではまた。

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